第110章 後悔してもしきれない

月島旭は田中未菜の決然とした眼差しにぶつかり、胸の底がすとんと沈んだ。慌てて今度は田中徳晴にすがりつく。

「田中おじさん、未菜を……未菜を説得してよ。俺たち、こんなに長いこと――」

「黙れ」

田中徳晴の冷えた視線が、矢のように月島旭を射抜いた。

「よくも言えたな。未菜に隠れて女に手を出しておいて、許してもらえると思ってるのか。寝言は寝て言え」

そして何かを思い出したように、言葉を継いだ。

「それと、明日からあの家は貸さない。お前ら一家はさっさと出ていけ。物件はネットに出して売る」

その一言で、月島旭の世界が崩れ落ちた。

ここまで情け容赦なく切り捨てられるとは思っていなかった。...

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